撮影のお仕事現場から(準備編)

以前、料理撮影に欠かせない彩を添える食材として万能ネギをご紹介しました。その他にも彩を演出する緑はたくさんあります。

撮影の準備の際にまず行うことの一つに、その日使う緑ものを水に浸し、鮮やかさを取り戻すひと手間があります。冷蔵保存して少し元気のなかった緑たちも、水気を吸い上げ、生き生きとしてきます。

今日は、お皿の上を更に鮮やかに、お料理映えさせてくれる緑の食材たちを紹介します。調理方法や季節、種類(和洋中など)に適した「あしらい」や「かいしき」(お料理の下にしくもの)を使うことで、お料理が引き立つだけではなく、中には殺菌作用を促したり、同時に食べると料理の味を引き立てるなどの効果が出る場合もあります。

例えば、見慣れた「あしらい」として、お刺身に欠かせない薬味につま、焼き魚に添えられるはじかみや大根おろし、かぼすなどがあります。つまを大根だけでなく、細く切った大葉を加えることでより爽やかに演出することができます。また、「かいしき」としてはらんを敷くことで、料理が引き締まって見えます。本来、季節感を表現するだけでなく、器を汚さない、匂いをうつさないという配慮からくるものでもあります。

日本料理では、「あしらい」や「かいしき」について、季節や添える位置など決まりがあります。堅苦しいと考えがちですが、なぜそのように決まっているのかを知ることで納得感のあるものばかりです。日本料理だけではなく、どんなお料理にも言えることです。

季節を感じながら器とお料理を見た目から楽しみ、味わうことが醍醐味です。その空間そのものを撮影し、見る方々が美味しそうと思ってくださる演出をすることが私たちの役割だと思っています。

「あしらい」や「かいしき」については、器やお料理の知識も必要で、奥深いものですので、また機会がある際にアルティザン講座(フードコーディネータープロ講座)でお伝えしたいと思います。無造作に選ばれているように見える準備した緑たちも、撮影に使いやすいものを厳選しているんですよ。

季節は初夏に向かっていますね。夏のお料理は鮮やかでみずみずしくて、元気が出ます。その爽やかさを丸ごと届けられるように、頑張っていきたいと思います!

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